処方せんなしで薬局で買える国内初の内臓脂肪を減らす薬の販売が来月、始まります。効果が期待できる一方、懸念される点も…

大正製薬　宍戸正臣 マーケティング本部長
「日本初、お腹が太めな方の『内臓脂肪減少薬』です」

来月8日から販売されることになったのは、大正製薬の内臓脂肪減少薬「アライ」。

食事中の脂肪の吸収を抑制し、便と一緒に排泄することで、内臓脂肪や腹囲を減らすことが期待される国内で初めての薬です。

日本人への臨床試験では、1年間の服用で腹囲が4.73センチ減少したということです。

医師の処方せんなしで、薬局で薬剤師の対面販売のもと購入できますが、いくつもの“ルール”が設けられています。

記者
「購入の前には、食事や運動といった生活習慣の改善が分かる記録を薬剤師に見せる必要があります」

購入できるのは、▼18歳以上の成人で、▼腹囲が男性は85センチ、女性は90センチ以上、また、▼服用の3か月前から食事や運動といった生活習慣の改善に取り組んでいるなどの条件を満たした人です。

効果が期待される一方、服用した後は、▼便が油っぽくなる、▼おならをすると便が漏れる、▼トイレが近くなるなどの事象が起こる可能性があり、脂っこい食事を控えるなどの対策が必要だとしています。

また、専門家は「美容目的での使用」に警鐘を鳴らします。

日本肥満学会理事長　横手幸太郎 千葉大学病院長
「内臓脂肪もなく痩せている人が服用したら効果がどのくらいあるのか、副作用はどのぐらい出るのか、安全性が全く確立していません。痩せた人が興味本位でもっと痩せるために美容上服用するということは全く推奨されない薬」

薬剤師と相談の上で、適正な使用が求められています。