明日(23日)は土用の丑の日です。ウナギを食べたいという人も多いと思いますが水を差すのが「価格の高騰」です。背景にシラスウナギの不漁、コロナ禍、物価高と複合的な要因がありました。


網の上でふっくら焼かれたウナギに、60年以上継ぎ足されている伝統のたれ。香ばしい香りが広がります。国産の養殖ウナギを扱う創業1953年の川魚の専門店、光吉商店です。


土用の丑の日に向け準備を進める光吉さんを悩ませているのが、「ウナギ価格の高騰」です。


(川魚問屋 光吉商店 店主 光吉勇二さん)
「値上がりは、やはり『シラスの大不漁』が一番ですね。入荷がないのに値段が上がっているのがここまで続いてきて、結局昨年に対して一本当たり300円ぐらいは高くなっているんです」


うなぎの稚魚である「シラスウナギ」の量は、去年と比べて約2トン減少。稚魚が不漁だったため、養殖うなぎの供給が追いつかず値上がりに繋がっているといいます。

店では、平均価格を300円・1割強値上げして販売。タレの原料などの物価高騰が続く中、それでも値上げを最小限に抑えています。


(客)
「2600円の二つ」
「高くてもここのは美味しいからね、いわゆる幼魚のときから高いというのは分かっているので、それはもう仕方ないです」


一方、スーパーも価格の高騰に頭を悩ませています。こちらの店では、国産だけでなく外国産のうなぎも取り扱っていますが…。


(グランドマート 岡本和恵 取締役)
「輸入ものに関しては、コロナで海外の加工工場が止まったりすると輸入できる数自体がかなり減っていて、需要と供給の関係で値上がりしているというのと、輸送コストや円安の影響が大きい」

中国産も仕入れ値が約1.2倍になった影響で、販売価格が去年の980円から今年は1180円に。さらに、原油高の影響で「トレーの価格」も上がるなど、さまざまな要因がじわじわと価格に転嫁されています。

少しでも無駄を防ごうと、この店では予約販売を強化するほか、手に取りやすい「ハーフサイズのうな重」の販売などの工夫をしています。


(グランドマート 岡本和恵 取締役)
「コロナが始まった2年前から海外のものが入りづらくなってきて年々価格が上昇していて、国産に関してもやはり原価が400~500円上っておりますが、できる限りお客様にお求めやすい価格で販売できるということを目指しています」


物価高などの渦中で迎える今年の土用の丑の日。夏バテ予防にも良いと言われるウナギですが、暑さをしのぐのも一筋縄ではいかない夏になりそうです。