イスラエル軍の攻撃が続くパレスチナ自治区ガザの死者が3万人を超えました。北部では支援物資を待つ人たちが攻撃を受け、100人以上が死亡したということです。
中東メディアなどによりますと、ガザ地区北部のガザ市で先月29日、支援物資を待つ人たちにイスラエル軍が発砲しました。保健当局は112人が死亡、760人がけがをしたとしています。
一方、イスラエル軍は、物資を積んだトラックに人々が殺到し、押し合ったりトラックにひかれたりして数十人が死傷したと主張しました。AP通信などは、脅威を感じた兵士らが発砲したと、イスラエルの当局者が認めたと報じています。
今回の件を受け、アメリカのバイデン大統領は、停戦と人質解放に向けた交渉が複雑化することに懸念を示しました。
ガザの保健当局は、去年10月の戦闘開始以降の死者が3万人を超えたと発表しています。
また、国連のグテーレス事務総長は報道官を通じ、今回の出来事を非難する声明を出しました。
声明で、グテーレス氏は「悲惨な状況にあるガザの民間人は緊急の人道支援を必要としている」とし、人道的即時停戦とガザで拘束されている人質全員の解放を改めて呼びかけました。
そのうえで、「ガザのすべての人々に必要な人道支援を届けられるよう、緊急の対策を取るべきだ」と訴えています。そして、ガザ地区の死者が3万人を超えたという発表についても「悲劇的な人的被害にがく然としている」としました。
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