街なかの利点生かして 観光や修学旅行でも利用を

「コア」から少し歩くと原爆ドームがあります。

村尾晴美さん
「公衆トイレでは車椅子で入ってここに横にして。おむつが変えられて。でも、じゃあここで寝っ転がっているからここで食事って言われたら…ちょっと違いますよね、やっぱりね…」

村尾さんは「コア」が平和公園と近いことから、観光や修学旅行で訪れた障害のある人たちにも「コア」を利用してほしいといいます。

村尾晴美さん
「休むところがなかったとかいう話を聞くので。特別支援学校さんだと、この辺の旅館の和室の部屋をお借りして、そこで休憩してそこを拠点に動いてたって言っていたので。胃ろうでお腹を出して注入する時に、どうしても気軽にできるような場所がないから。コアで済ませて、また次のところに移動するという拠点になったらいいなと思っています」

◇ ◇

「コア」のオープンを待ち望む1人、山田いつかさんです。長女のにこさん(10)は広島市立広島特別支援学校の小学部5年生。にこさんには先天的な遺伝子疾患があります。そのため「ケトン食」と呼ばれる食事療法をしています。

「ケトン食」とは糖質を減らして脂肪を増やす特別な食事です。にこさんが2歳のときからずっと、食事やおやつは山田さん手作りの「ケトン食」です。

9年間「ケトン食」を作る山田いつかさん
「これがいつも置いているクッキーです。つまんで自分が口で運べるというサイズを何回も試行錯誤して…」

食材の量は、厳密な計算式に基づいて1つ1つエクセル表で算出します。

調理に大きな負担がかかるこの「ケトン食」が「コア」で提供されることになったのです。これまで外食や泊まりの旅行ができなかったという山田さん。「コア」なら家族で外食ができることに、心強さを感じています。

山田いつかさん
「ケトン食やペースト食などの子どもたちは、お出かけしてもお母さんが朝からその子のための食事を準備して、というのが必要になってくるけれど、そういった負担のない場所ができるということが、すごくうれしい」