■MLBキャンプ(日本時間22日、アリゾナ州メサ)

カブスの今永昇太投手(30)は21日(日本時間22日)、今キャンプでライブBP(実戦形式の打撃練習)に初登板。マウンドに向かう前には日本では使用していないピッチコム(サイン交換の際に用いられる電子機器)を帽子の内側に装着した。

最初の打者は昨季23本塁打のP.ウィズダム(32)。3球目のストレートで詰まらせファーストフライ。2人目はP.アームストロング(21)、1球目のストレートをセカンドゴロとここまでストレートで抑えてきた。

3人目に登場したのが鈴木誠也(29)、ライブBP前には今永が「まっすぐだけでいくからねって」と約束。日本時代には6年間セ・リーグで対戦、通算54打数18安打で打率.333、4本塁打、13三振という成績。2021年以来、約2年ぶりの対戦となったが「バッター立つとデカくて、まずピッチャー返し怖くて、外まっすぐ投げたら絶対に芯ではじかれる、怖かったんで。まっすぐだけでは絶対に抑えられないと思ったんで、ウソついて変化球を投げました」と1球目はカーブから入り、鈴木も平然と見送った。

今永は3球目、5球目とキャッチャーからのサインに首を振り、4球連続でストレートを投げ込んだ。鈴木も今永のストレートに3球連続ファールと捉えきれなかった。7球目、内角低めのストレートで空振り三振。「まっすぐが引っかかってカット気味に入って、インコースのいいところに決まったんですけど、ひっかかりました」と今永は納得の行くボールではなかったと語った。

そして、2度目の対戦となったウィズダムにはスライダーが甘く入り、左中間へのホームランを浴びた。「質の悪い変化球が浮いたりすると単打にならず高い確率でホームランになる。自分の課題は痛いほどわかっている。被本塁打が高いのは周知の事実。きょうは打たれて良かった」と課題も見つかった。

打者6人に対し25球を投げ、1安打(1本塁打)、1三振の内容。最速は93マイル(150キロ)だった。「やはりMLBのバッターの対応力だったりとか、そういったものを感じたライブBPでした」と感想を語り、日本では導入されていないピッチコム、ピッチクロック(投球間隔の時間制限)については「実戦入ってピッチコムを使うとスムーズにサイン交換も行える実感もかなりあったので、(ピッチクロックも)まだまだボールを触る時間だったり、足場を確認する時間もあったので、それが確認できただけでもよかったと思います」と語った。

「一番ズレが生じるのが真っすぐなので。ブルペンとキャッチボールと、この実戦とで一番ズレてくるので、どこがズレているのかというのを確認するためにも真っすぐを多く投げる必要がありましたし、そこがチェックできてよかったと思いますね」と初めての実戦形式の練習で手応えを感じていた。