強きをくじき、弱気を助ける

「お兄さんがやられていると、弟が必ずリングサイドから分け入って、助けるんです」
ゆっくり、一つ一つの言葉をかみしめるような口調の島田省治さん(59歳)は、子どもの頃、プロレスをテレビで見るのが楽しみでした。中でも当時、「ザ・ファンクス」のリング名で兄弟タッグを組んでいたアメリカ人プロレスラー、テリー・ファンク(1944~2023年)を尊敬していました。
「強きをくじき、弱気を助ける姿が格好良いんです」

そう話し始めた島田さんは、かつてホームレスでした。その後、一転してホームレスを支援する側になり、紆余曲折があって今、生活保護を受けながらも、ホームレスやハウスレスの支援にどのように関わるのが当事者のためになるのか、模索しています。