卓球世界選手権・女子団体戦 決勝トーナメント2回戦で日本はクロアチアを3-0のストレートで下し、ベスト8入りでパリ五輪出場権(団体&シングルス2枠)を獲得した。第1試合から登場のエース早田ひな(23)は3-0でクロアチアのラコバッツを下し、勢いをつけた。2番手・張本美和(15)、3番手・平野美宇(23)も対戦相手を寄せ付けず、出場権の掛かった大一番を3-0で完勝した。

エース早田が背負う想い

早田選手はパリ五輪へ向けては団体・個人共にエースとして日本チームをけん引する。さらに自身の卓球人生においても地元への特別な思いをもって挑む。同世代の平野、伊藤美誠(23)らが小中学生時代から注目を集める中、早田は卓球を始めた4歳から18歳まで出身地である北九州で選手生活を送ってきた。21年東京五輪でリザーブメンバーとしてチームを支えた経験をも糧にした。そこから「世界一を獲るためにすべてのことを変えていった」と日本女子卓球のエースに成長出来たという。早田にはさらに背負う想いがあった。

故郷・北九州への想い

22年4月、8月と二度に渡り「北九州の台所」北九州市小倉北区にある旦過市場(たんがいちば)が大規模火災に見舞われた。早田は同年の9月に開催されたノジマカップの優勝賞金100万円を義援金として届けた。

旦過復旧対策会議代表に義援金の目録を渡す早田ひな

当時から「自分自身の寄付で少しでも力になればと思って今回寄付させていただいた。今回の寄付もそうですし、今後の自分自身の卓球のプレーとしても、旦過地区の皆さんに勇気を与えられるように今後も頑張っていきたいなって強く思いました。…自分自身を本当にたくさんの人に愛されてここまで来てるんだなって思ってるので、そういったところで少しでも力になれたりとか、勇気や感動を与えることが自分の最大限の何か出来る事なのかなっていうのを思ってます」と語っていた。

パリ五輪へ向けて

23年10月アジア大会杭州で銀メダルを獲得した直後に届けられた地元、旦過市場からの応援メッセージを届けた。

個人、団体ともエースとして


「地元、北九州が本当にすごく大好き、小倉も小さい頃よく行っていたし、そんな中で一般の方が応援くれるのが本当に嬉しいし、福岡、そして北九州の代表として、卓球界の代表として、結果もそうだが、みんなのお手本になるような、皆から目指して貰えるような選手になりたい」と変わる事のない地元への想いを語った。

旦過市場に掲げられた早田ひなを応援する垂れ幕

23年10月、復興を目指す北九州市旦過市場には早田を応援する垂れ幕が掲げられた。