北海道でみつかった新種の恐竜カムイサウルスが沖縄にやってきました。北海道の男性からの寄贈品なんです。男性は沖縄に特別な思いを抱いていました。

沖縄に上陸したカムイサウルス。全長およそ8メートル、北海道で見つかった、新種の恐竜です。
北海道の植田英隆さん78歳。全身骨格のレプリカを県立博物館・美術館に寄贈しました。2200万円もの私財を投じた理由は、満100歳を迎えた母・純子さんへの思いからでした。
寄贈した植田英隆さん
「どうやって息子のひとりとしてお祝いをする気持ちを持つか」
アイヌの言葉で「神」の意味をもつ「カムイ」から名付けられたカムイサウルス。北海道むかわ町にある後期白亜紀=およそ7200万年前の地層からみつかりました。

ほぼ全身の骨が発掘された「奇跡の恐竜」とも呼ばれています。
そんな貴重なものの寄贈先に沖縄を選んだ理由は、沖縄戦だといいます。
寄贈した植田英隆さん
「壕に入ろうとする県民を日本兵が排除するシーンが必ずのっています。北海道はたくさんの兵士が(沖縄に)行っている。そういう振る舞いをした中に、北海道民の兵士もいたのではないかと連想すると大変重い気持ちになります」

県外出身者で最も多くの戦死者を出した北海道。その北海道から沖縄へ、慰霊と鎮魂の思いを込めて、北海道の宝であるカムイサウルスを贈りたかったのだと植田さんは話します。
寄贈した植田英隆さん
「北海道と沖縄以外の各県の博物館にこれはありません。おおいに沖縄は得をしたと思って頂ければと思います」
辰年に北海道からやってきたドラゴンが、沖縄と北海道を結ぶ平和の使者となってくれるかもしれません。
このカムイサウルスはことしいっぱい、エントランスに展示され、来年以降は、博物館の企画展などで活用予定です。
遠い北国からやってきた恐竜に皆さんもぜひ会いに行ってみては。