米リッチモンド連銀のバーキン総裁は27日、すでに高まっているインフレ圧力をイラン戦争がさらに強める恐れがあり、労働市場が脆弱(ぜいじゃく)な中で経済見通しに不透明感をもたらしているとの認識を示した。

バーキン氏は、FRBが重視するインフレ指標のここ数カ月のデータを無視することは難しいと述べ、インフレ抑制に向けたFRBの進展状況が「停滞する恐れがある」と語った。

Photographer: Christopher Goodney/Bloomberg

バーキン総裁はテネシー州ジョンソンシティでのイベントに向けた講演原稿で、「それは原油価格の急騰前の話だ。コロナ禍や半導体不足、ウクライナ戦争、関税、移民取り締まりに続く、一連のコスト増につながる供給ショックの最新の例だ」と述べた。「この最新のショックがインフレとインフレ期待の双方に与える影響を注意深く見極めていく」とした。

複数のFRB当局者は、この戦争が米経済に与える影響への懸念が強まっていることを示唆しており、インフレに対してより慎重な姿勢を示す当局者もいれば、最終的な影響は紛争の長期化の度合いに左右されると強調する当局者もいる。連邦公開市場委員会(FOMC)は今月の会合で政策金利を据え置き、パウエルFRB議長は利下げ再開に先立ち、インフレ状況のさらなる改善を確認したいとの考えを示した。

バーキン総裁は雇用の伸びがほぼゼロに近い一方で失業率は健全な水準にあるとして、労働市場の評価は難しい局面にあるとの認識を示した。「医療や熟練職、小規模都市を除けば、労働市場はやや脆弱に感じられる」と述べた。

イランでの戦争に伴う原油価格上昇の影響については、米国が石油の純輸出国であるため、「理論上は」限定的にとどまるとの見方を示した。ただ、ガソリン価格は目に見えやすく、消費者心理を冷やす可能性があるほか、航空運賃や貨物輸送、物流コストにも影響が及ぶ可能性があると付け加えた。

米ミシガン大学が27日発表した3月の消費者調査では、中東での戦争によりガソリン価格が上昇する中、1年先のインフレ期待は3.8%と、前月の3.4%から上昇した。

原題:Fed’s Barkin Says Inflation Progress May Be At Risk of Stalling(抜粋)

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