きのう、閉幕した全人代=全国人民代表大会で、43兆円にのぼる国防費を承認し、軍事力増強を誇示する中国ですが、足下では軍幹部の相次ぐ失脚など、混乱が続いています。この事態に今、アメリカのCIAが動き出しています。

「指導者たちが本当に守っているのは、彼ら自身の利益だけだ」

中国軍の将校とみられる男性。軍の現状を嘆き、子どもの将来を案じます。

「指導力を持つ者は必ずや警戒され、容赦なく抹殺される。私は娘の未来をこのような狂人たちに作らせるわけにはいかない」

男性はアメリカのCIA=中央情報局との接触を決意します。

これはCIAが先月公開した、中国の軍人にスパイになるよう呼びかける動画です。

記者
「別の動画では、公共のWi-FiやVPNを使用することなど、CIAへの連絡方法についても詳しく説明しています」

背景には、中国軍の混乱があります。

会議で習近平国家主席に緊張した様子で敬礼するのは、中国軍の最高指導機関、中央軍事委員会の張昇民副主席です。

中央軍事委員会は7人で構成されますが、全人代に出席していたのは、張氏とトップの習主席の2人だけ。

習主席は、去年、中央軍事委員会の3人を解任。さらに今年1月には、軍ナンバー2の張又俠副主席ら2人も「重大な規律違反」の疑いで調査を受け、実に7人中5人が事実上、失脚するという異常事態に陥っているのです。

動画について、中国外務省の報道官は…

中国外務省 林剣 報道官
「中国はあらゆる必要な措置を講じ、国外の反中勢力の浸透・破壊活動を断固として取り締まる」

今回の全人代でおよそ43兆円の国防費を承認し、「先進的戦闘力の整備を加速する」との目標を掲げた中国ですが、その足下は揺らいでいます。