(ブルームバーグ):インドを世界的な製造業大国に押し上げるという野心的な目標を掲げるモディ首相に、米国と中国が異議を唱えている。インド政府の補助金が国際貿易ルールに違反していると米中がそろって批判した。
米国は25日、インドが製造業を不当に補助していると判断し、インドからの太陽光発電関連輸入品に対し126%の暫定関税を課した。アナリストらによると、この高率関税によりインドの太陽光パネルメーカーは事実上、米市場から締め出される見通しだ。
世界貿易機関(WTO)の紛争解決機関はその前日、インドの自動車および再生可能エネルギー技術分野の優遇策に対する中国の異議申し立てを審理するパネルの設置に合意した。
一連の紛争の中心にあるのが、モディ政権が2020年に導入した生産連動型インセンティブ(PLI)制度だ。国内製造業の強化を目的とし、電子機器や医薬品から太陽光モジュール、医療機器まで14分野を対象とする。PLIの総予算は1兆9100億ルピー(約3兆2800億円)に上る。
中国はこのインセンティブ制度について、輸入品よりも国産品を不当に優遇し、中国製品を不利な立場に置いていると主張している。両国間の協議はWTO紛争プロセスの第1段階に当たる。
インドが米中双方との関係安定化を図る中で、インド政府の補助金は競争条件をインド企業に有利に傾けていると貿易相手国が反発を強めている。
インド商工省はコメント要請に応じなかった。デリケートな問題だとして匿名を条件に語ったニューデリーの当局者は、インドは自国のインセンティブ制度を強く擁護し、WTOルールを完全に順守していると主張する方針だと述べた。
こうした制度は、インドの国内総生産(GDP)に占める製造業の比率を約25%に引き上げるという政府目標の中核を成すが、主要貿易相手国からの圧力の高まりは懸念材料だ。現在、製造業がGDPに占める割合は約17%にとどまる。
原題:US, China Challenge Modi’s ‘Make in India’ Factory Incentives(抜粋)
--取材協力:Rajesh Kumar Singh.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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