「黒潮大蛇行」終息で日本の夏も変わるか

さらに黒潮大蛇行は日本の猛暑の一因とも指摘されてきました。

東北大(海洋物理学) 杉本周作 准教授
「黒潮の大蛇行によって増えた水蒸気が日本にどんどん送り込まれる。この水蒸気は強い温室効果気体でもあるので、太平洋沿岸部、特に東海~関東にかけて気温上昇をもたらす」

杉本氏によりますと、黒潮大蛇行の影響で気温は東海地方で約1度関東地方で約0.6度上昇。また大気が不安定化することで降水量の増加も引き起こしてきたといいます。

東北大(海洋物理学) 杉本周作 准教授
「熱海を襲った土石流災害を起こしたのも静岡で1.3倍~1.5倍、雨を増やしているというのもシミュレーションで分かっている」

黒潮大蛇行が終息すれば、こうした大雨などへの影響が緩和されるということです。

東北大(海洋物理学) 杉本周作 准教授
「短時間で降る雨といった線状降水帯的なものの頻度を抑える。そういった役割もあり得るのではと思っている。夏の気候は少し穏やかになるのかなという印象を持っている」