トランプ米政権は2日、新たに34%の対中関税を賦課すると発表した。過去最大規模の引き上げとなり、中国製品への関税率は合計で少なくとも54%に達する見込み。中国の輸出に大きな打撃を与えることになる。

新たに発表された対中関税は、合成麻薬フェンタニルの米国への流入に関して先に賦課された20%の関税に追加され、中国企業が2024年に米国に輸出した5000億ドル(約74兆円)相当の商品の大半に課されることになる。9日から適用される。

ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の地理経済学担当チーフアナリスト、ジェニファー・ウェルチ氏は、「トランプ氏が前回実施した20%の追加関税が米中貿易にハンマーを振り下ろしたとすれば、今回の措置はバズーカ砲だ」と述べた。

トランプ氏は2日、ホワイトハウスのローズガーデンで行われたイベントで、米国が世界中の貿易相手国に課す相互関税について説明した

今回の措置により、米国の対中関税率はトランプ氏が選挙戦で公言していた60%に近づくことになる。

マッコーリー・グループは昨年、60%の関税が課された場合、中国の国内総生産(GDP)成長率は2ポイント低下する可能性があると予想。

BEのシミュレーションによると、60%の関税賦課により、米中貿易は事実上ゼロにまで縮小するという。

中国商務省は3日の声明で、米国の関税を非難し、報復すると表明した。具体的な措置は示していない。声明によれば、中国は米国の関税措置に強く反対し、「自国の権益を守るため断固とした対抗措置を取る」という。また、米国に対し関税賦課を取りやめ、対話を通じて紛争を解決するよう促した。

中国国営の新華社通信は、トランプ氏の関税政策について「自滅的ないじめ」と批判する論評を掲載。「貿易を過度に単純化した報復合戦に変えることで、米政府は効率性や専門性、相互利益に基づくグローバルな貿易システムを崩壊させ、米経済と世界経済全体に打撃を与えている」と主張した。

ピーターソン国際経済研究所(PIIR)のマーティン・チョルゼンパ上級研究員は「これらの関税は中国に対して大きな圧力をかける」と指摘。中国からの直近の報復措置は比較的控えめだったが、「今回の措置により、中国政府の見解は硬化し、関税をはるかに超える深刻なエスカレーションにつながる可能性がある」と語った。

このほか、ホワイトハウスは2日、小包向けの「デミニミス」免税措置を5月2日に停止すると明らかにした。これまでは同措置の下、申告価格が800ドル未満の中国および香港からの品目は関税なしで米国に輸出することが可能で、PDDホールディングスの格安サイト「Temu」やファッション通販のSHEIN(シーイン)が恩恵を受けていた。

原題:China’s Export Machine Struck With at Least 54% Trump Tariffs、China Vows Retaliation as Trump Unleashes ‘Bazooka’ US Tariffs(抜粋)

(中国側のコメントを追加して更新します)

--取材協力:Colum Murphy、Yujing Liu.

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