台湾が、中国による侵略の可能性がある年を2027年と初めて特定した。中台間の緊張が高まる中で、中国人民解放軍は台湾周辺での活動を強化している。

台湾国防部(国防省)は人民解放軍による攻撃を想定した台湾軍の軍事演習「漢光演習」について、立法院(国会)に説明するため18日に出した文書の中で27年に言及した。今年夏の演習は警戒態勢の強化を反映し、10日間に延長される。

ブルームバーグが入手した公開文書によると、今年の年次実動演習は10年間で最大規模となる。また、これまで中国からの侵略を想定した年を特定した計画はなかった。

顧立雄国防部長(国防相)は19日、「漢光演習では常に1年から2年先のタイムラインを設定している。新しい兵器を取得し訓練するには、演習を繰り返し検証する必要があるためだ」と記者団に語った。

27年という設定が演習プログラムにどのような変化をもたらすのか、また、こうした特定が政治的なメッセージであるのかどうかは不明だ。

習総書記の反腐敗運動

中国共産党の習近平総書記(国家主席)は人民解放軍に対し、27年までに現代化を達成するよう求めている。

米軍幹部は昨年、中国が27年までに台湾侵攻の準備を整えると主張し、その根拠として、20年以降、戦闘機や軍艦の増強、弾道・巡航ミサイルの在庫を倍増させる動きを挙げていた。

台湾当局は以前、こうした米国の見方に否定的で、顧氏は「中国は水陸両用作戦を実施できる状態にはないだろう」と23年に述べていた。また、中国軍の上層部を揺るがした習総書記の反腐敗運動を踏まえ、中国軍の戦争遂行能力に疑問を呈する見方もある。

原題:Taiwan Defense Drills Identify 2027 for Potential China Invasion(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.