(ブルームバーグ):トランプ米大統領は6日、ビットコインの戦略備蓄に向けた大統領令に署名した。ホワイトハウスの人工知能(AI)・暗号資産(仮想通貨)責任者デービッド・サックス氏がX(旧ツイッター)への投稿で明らかにした。しかし、同氏が戦略備蓄で納税者の資金が使われることはないと示唆したため、ビットコインは下落した。
ビットコインはシンガポール時間7日午前10時19分(日本時間同11時19分)時点で、2.1%安の8万7927ドル。一時は5.7%下げた。イーサやXRP、カルダノ、ソラナなども2%以上下落した。
サックス氏は連邦政府がすでに所有するビットコインで今回の備蓄が構成されると説明。投稿では、その他のデジタル資産を含む別の備蓄にも言及した。
米国は現在、約164億ドル(約2兆4000億円)相当のビットコインに加え、他の7つのトークンで4億ドル程度を保有。刑事や民事手続きに関連して没収した資産が中心だ。
暗号資産カストディー会社ビットゴーのアジア太平洋店頭取引ディレクター、シュテファン・フォンヘーニシュ氏はサックス氏の投稿について、「ビットコイン戦略備蓄の整備は過去に没収したビットコインによるものだと市場が解釈したように見受けられる」と指摘。「投資家はこれまで政府によるビットコイン購入を期待して市場に飛び付いていた。今回の新たな展開で、こうしたポジションは巻き戻されつつある」と述べた。
サックス氏によると、大統領令は財務長官と商務長官に対し、米納税者に追加的なコストがかからないことを条件に、追加のビットコイン取得に向けた「予算中立的な戦略」の策定を認めている。
7日のアジア株式市場では、仮想通貨関連銘柄が軟調に推移している。
原題:Bitcoin Sinks After Trump’s Executive Order Disappoints Market(抜粋)
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