(ブルームバーグ):インターネット検索エンジン中国最大手の百度(バイドゥ)の約100億元(約2040億円)の人民元建て社債発行は、絶妙なタイミングだった。
投資家が中国の人工知能(AI)関連株へ資金投入を続ける中、百度は、4月に6億ドル相当の社債が償還期限を迎えるのに先駆けて社債を発行し、5日に取引を終えた。
この投資家の意欲にうまく乗じ、百度社債のクーポンレート(表面利率)は、5年債が2.7%、10年債が3%となり、ライバルの電子商取引大手アリババグループが4カ月前に発行した社債の表面利率を10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下回った。
こうした動きは、中国のAIスタートアップDeepSeek(ディープシーク)の台頭や、中国政府の革新的な技術を支援し経済活性化につなげるという方針を受け、投資家が最近のハイテク株高を加速させている現状を反映したものだ。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のシニアクレジットストラテジスト、ティン・メン氏は「中国政府が厳格な規制から支援へと方針を転換したことで、中国テクノロジー企業に対する投資家の見方が大幅に改善した。これは百度にとって特別なタイミングだ」と述べた。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、セシリア・チャン氏とジェイソン・リー氏はリポートで、債券市場では中国テクノロジー企業の社債発行がさらに増える見通しで、同分野の2025年の資本支出は推定約270億ドル(約4兆円)に上るとしている。
人民元建て債の資金調達コストが現在、米ドル建てよりも220bp低いことも、発行主体への後押しになる可能性があるという。
原題:Baidu’s Bond Sale Rides AI Wave With Sector-Beating Pricing(抜粋)
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