中国の経済成長率は公式データよりも低く、今後数年間は3ー4%が現実的な見通しである可能性が高い。中国の著名エコノミスト、高善文氏がこうした見解を示した。

SDIC証券のチーフエコノミストである同氏は、中国の公式データが経済拡大のペースを誇張している可能性が高いと指摘。「われわれは中国の真の実質成長率などの数字を正確に把握していない」と語った。

同氏は中国の規制当局や高官にこれまで助言してきたエコノミスト。ワシントンのピーターソン国際経済研究所(PIIE)主催のイベントで12日に語った。今月初め、中国の高い失業率で若年層の消費が活気を失っているとコメントしたことで、激しい議論を巻き起こした。

中国の国内総生産(GDP)統計を巡っては長年にわたり信頼できないとの見方が多かった。そうした指摘については国家統計局も2019年に認め、状況は改善したと主張した。高氏の発言は問題が継続している可能性を示す。

公式データによると、中国の23年の成長率は5.2%だった。不動産市場の低迷や消費停滞が需要を圧迫し続けているが、民間エコノミストらは今年、政府目標の5%前後を達成するとの見方を示している。

高氏はGDP成長率について、「公式の数値が5%に近いとしても、実際は過去2ー3年で平均2%程度になるのではないか」と言及。「もしこの推測が正しければ今後3ー5年は3、4%の成長率を期待するのが妥当ではないかと考えるが、公式の数値は常に5%前後になるだろう」と話した。

成長の底上げに向け、中国指導部は中央経済工作会議後の声明で、来年の財政赤字目標を引き上げる考えを示した。「消費を大いに押し上げること」と、内需全体の刺激を最優先課題としている。

原題:China to Grow Around 3-4% in Coming Years, Top Economist Says(抜粋)

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