海底通信ケーブルの相次ぐ損傷で国家の関与が疑われる中、米連邦通信委員会(FCC)は21日、海底ケーブル管理法制の「抜本的かつ包括的な見直し」と改定を実施することを全会一致で決めた。

FCCのローゼンウォーセル委員長はグローバルなインターネット・トラフィックの流れを円滑化するシステムの見直しは延び延びになっていたと指摘した。同委はこれまで「設備の所有・管理者の状況報告を義務付けることなく」25年間有効のケーブル陸揚げ免許を付与していた。

FCCによると、最後の法制見直しが行われた2001年以降、システムを取り巻く技術・経済・国家安全保障面の環境は大きく変化している。FCCが免許を付与しているケーブルシステムは現在84ある。

ローゼンウォーセル氏は25年間のライセンス期間について、「これは、データトラフィックの流れの安全確保に不可欠な相互接続や外国投資に関する情報が四半世紀も更新されていないことを意味する。あまりにも長い」と述べた。

台湾は昨年、実効支配する馬祖列島で海底インターネットケーブル2本が中国国旗を掲げた船によって切断されたと主張。今年に入って紅海でのフーシ派の攻撃により欧州とアジア向けの3本のケーブルが切断されたほか、今月にはバルト海で複数のケーブルが損傷した。

ローゼンウォーセル氏は「これらの出来事の詳細はなお議論されているものの、明らかなのは、損傷を防ぐため位置が公表されているこれら設備が標的になっていることだ」と指摘。

「これに加えてトロール船のいかりや海洋生物、気候変動の影響により破損する恐れがある。ケーブル保護のために、より多くの対策が必要なのは明らかだ」と述べた。

FCCは重要インフラである海底ケーブルの安全を確保しつつ、規則を効率化する方法について一般からの意見を求めるとした。FCCは海底ケーブル事業者が3年ごとに同委に報告することを提案しており、25年間のライセンス期間を短縮すべきかどうか検討中だという。

原題:FCC Tees Up Rules to Tighten National Security on Subsea Cables(抜粋)

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