終戦から78年、シリーズで戦争体験者の証言をお伝えしています。今回は山梨県南アルプス市の91歳の男性が保管している戦地から届いた手紙を取り上げます。
これらは戦死した兄たちが家族にあてて書いた手紙で戦争の悲惨さを今に伝えています。
戦地から兄が書いた手紙
「郷を遠ざかる戦線では郷土からの便が一番嬉しいですね」
「自分も相変わらず元気にてやって居りますから まず御休心下さい」
塩澤進さん:
手紙を見れば兄貴と話をしているように感じる。

南アルプス市に住む塩澤進さん、91歳。
10歳以上年の離れた2人の兄、文吉さんと守雄さんが戦地から送った手紙を今も大切に保管しています。その数19通。

隙間なく書かれた手紙は、家族を気遣う言葉で溢れています。
戦地から兄が書いた手紙
「昨夜は家へ帰ってお母さんのお手製の馬鈴薯をうんと食べた夢を見ました」
塩澤さん:
やっぱり兄貴も故郷が恋しいのかな。おふくろのジャガイモを煮たのが美味しかったと書いてある。
戦争が始まる前、塩澤さんは2番目の兄、守雄さんに連れられボロ電に乗って甲府中心街に出かけた思い出があります。