2022年、甲府市中心街を訪れた人の数は、前の年に比べ約1割減少したことがわかりました。
街づくりの専門家は「二極化が進んでいる」と指摘しています。

歩行量調査は甲府市が毎年行っているもので、2022年11月25日金曜日からの週末の3日間、中心街の21地点で実施されました。

3日間の合計は12万人あまりで、前の年に比べ約1万2000人、率にして9.1%減少しました。

地点別では15の地点で前の年を下回り、このうち、減少率が最も大きかったのは4割近く減ったココリオリオン通り口南のオリオン・スクエアでした。

甲府市は、調査当時、百貨店の岡島の移転準備でココリの中のテナントが相次いで閉鎖したことや、新型コロナの第8波による外出控えなどが影響したと見ています。

一方で、歩行量が増加した6地点のうち、上昇率が最も高かったのはJR甲府駅の西南部で14.1%増えました。

市は、横沢通りの開通により通勤や通学の経路として選ぶ人が増えたと分析しています。

また、JR甲府駅北口の甲州夢小路も12.0%増え、市は、「全国旅行支援」の効果などで多くの人が訪れたとみています。

山梨総合研究所の調査研究部長で、まちづくりが専門の佐藤文昭さんは、今回の結果について「二極化が進んでいる」と指摘します。



山梨総合研究所 調査部長 佐藤文昭さん:
夢小路の情報発信も含めて、観光地としての認知が一定程度進んでいると捉えることもできる。中心街全体として観光やレジャー、買い物で足を運ぼうという魅力が、正直言ってちょっと欠けていると言えるかと。

こうした中、にぎわいの回復にはレジャー需要に応えるだけでなく中心街周辺に増加するマンションの住民といった、生活者のニーズを見据えたまちづくりが欠かせないとしています。

山梨総合研究所 調査部長 佐藤文昭さん:
岡島が移転して跡地の開発が進んでいるが、中心街に住む人たちが増えてきている中で、そこに住んでいる人にしっかりお店を知ってもらって、魅力を知って足を運んでもらうような仕掛け作りが必要。

市は調査結果を地元の商店街や経済団体などと共有し、活性化につなげたいとしています。