盗まれるだけでなく管理が極めて不適切でした。
山梨県立美術館の2つの作品の所在がわからなくなっている事が明らかになりました。およそ4半世紀に渡り、収蔵品の全数把握がされていませんでした。
所在が分からなくなっているのは山下新太郎の油絵、ミレー作品の模写「母親の心づかい」とジャン=バティスト=カミーユ・コローの銅版画「イタリアの思い出」の2点です。
県立美術館では2022年8月に消防設備点検の作業員に工芸品を盗まれる事件があり、全ての収蔵品をデータベースと照合して確認したところ所在不明がわかりました。
1998年に耐震工事のため仮の収蔵場所に移す際には作品の所在を確認していましたがその後、全数調査を一度も行っておらず、無くなった時期もわからないという事です。
県の財務規則では毎年7月に収蔵作品数を県に報告する事になっていますが、新たに収蔵した作品の数を加算するだけで全ての収蔵品の照合を行っていませんでした。
県立美術館 若尾哲夫副館長:
長期間にわたる全数調査の不実施で、適正な管理が行われていなかったことについて、弁解の余地がない。
また、収蔵品のデータベースも全体の4%に当たる444点が登録されておらず、全体の65%に当たる7635点で保管場所が書かれていないなどの不備があったという事です。
県は年に1度、全数調査を行うなど「抜本的に」管理体制を見直すとしていますが盗難事件をきっかけに後世に文化を伝えるべき役割の美術館として極めてずさんな管理が明らかとなりました。







