小嶋優 キャスター:
山梨大学医学部附属病院の前院長の武田正之さんに新型コロナの感染状況などを伺います。
年明けの状況なんですが、どう見ていらっしゃいますか。


山梨大学医学部附属病院 前院長 武田正之 医師:
全ての都道府県で増加していまして、もう少し増加傾向が続くかと思います。年末年始はちょっと減少したのですが、医療機関がお休みなので、その分ちょっと少なめに出てしまいました。行動制限が無いということと、年末年始の移動の影響が出てきていると思います。ワクチン接種ですが、4回目以降の接種率があまり高くないということと、BA.4、BA.5のオミクロン対応のワクチン接種がまだあまり進んでいないので、そういうことで免疫力が落ちてるのかなと思います。


小嶋キャスター:
13日は9人の方が亡くなったという発表があったのですが、死者が12月から見ますと106人と増加しています。亡くなる方が増えている要因はなんでしょうか?


武田医師:
今のオミクロンは致死率は非常に低くなって0.1%ぐらいですが、感染者数が非常に増えているので、特に高齢者が感染しますと、持病が悪化したりして生命に危機が起こるということがあります。若い方でも持病のある方はリスクがありますし、オミクロン対応のワクチン接種率がまだ高くないので、今後これを上げることが非常に大事だと思います。また先ほどお話のあったインフルエンザの影響もあると思います。


西垣友香キャスター:
年明けの医療現場は、どんな状況になっているのでしょうか。


武田医師:
病床使用率に関しては50%を切ってるので全国的にはそんなに高くないと思います。重症者も1人しかいないということ。ただ、発熱患者さんが非常に多いので救急はかなり大変かなと思います。それから全国的に高齢者施設のクラスターが非常にたくさん出ています。そういう方は入院しないといけないので医療機関もなかなか大変かなと思います。

小嶋キャスター:
そして今感染も増えているという中、今がピークなのかどうかも気になるのですが今後はどのように予想していますか?


武田医師:
今がピークとはちょっと言えなくて、これからまだ増えてくるんじゃないかなと思います。一応予測ですが、2つのパターンが考えられます。
良い方は多分2月初めぐらいにピークが来て、その後下がってくる。ただゼロにはならなくて、ある程度の数が残ってまた増えてくるかなと。
悪いパターンの方は中国からの変異株とかいろんなものが入ってきたり、インフルエンザ等が加味されてかなり増えていきます。一旦下がってもやはり第9波に移行するんじゃないかなという気はします。

小嶋キャスター:
春先に第9波ということも頭に入れておかなければならない?

山梨大学医学部附属病院 前院長 武田正之医師:
やはり今一番怖いのは中国での変異株がおそらく出てくると思うので、それが日本に入ってくると3年前みたいなことが起こるかなと。そこが一番危惧されます。

小嶋キャスター:
ここまで武田さんでした。