にしおかさん:
「夫婦げんかが夜中始まると、階段の途中まで降りてきて、たぶんですけど緩和させようと思って歌を歌うんです。大体『蛍の光』を歌ってしまってるので」
ケンカ中の夫婦は聞いていませんが、にしおかさんには聞こえてきます。
「よかった、上手」と声をかけると、姉は「2番」と言って1番の歌詞を延々と繰り返す。それでも、にしおかさんは姉の優しさを感じていました。
母が亡くなったとき、姉は自ら近づいて「ママ死んじゃったけど、どうする?」と聞いてきました。にしおかさんが「どうしようか」と返すと、姉の方から「すみちゃんおいで」とギュッと抱きしめてくれたといいます。
火葬場の予約が取れず、数日間ドライアイスで遺体を保冷していた際、にしおかさんは姉に「一緒に手を握る?」と提案しました。







