男女9人が犠牲となった中央道・笹子トンネルの天井板崩落事故からきょうで10年です。事故現場の近くでは追悼式が行われ、遺族は悲しみをこらえつつ改めて事故の原因を明らかにするよう切に訴えました。


2012年12月2日、中央道上り線の笹子トンネルで天井板が崩落。


車3台が下敷きになり男女9人が死亡しました。
あの事故から今日で10年…


現場近くでは、発生時刻の午前8時3分に合わせ遺族らが祈りを捧げました。


その後の追悼慰霊式では、6人の遺族が悲痛な胸の内を語りました。


松本玲さん(当時28歳)母・松本和代さん:
天井板の危険性に気づくことはできなかったのか、事故を食い止める方法は何か無かったのか、何度も何度も思いあぐねる10年でした。


石川友梨さん(当時28歳)父・石川信一さん:
誰も良心と勇気を持って、私たちに情報提供してもらえないのだろうか。尊い私たちの娘や息子、親が命を奪われた原因を死ぬまでに知りたいんです。お願いします。

遺族の言葉に、中日本高速の小室俊二社長は…




中日本高速道路 小室俊二社長:
厳粛に受け止めております、改めて私先頭に立ってご遺族の皆様に真摯に向き合い、誠心誠意これからも対応していきたいと改めて思いました。


遺族は、遺品が展示されている社員向けの研修施設の一般公開を求めていますが、小室社長は、「遺族と相談しながら慎重に検討したい」と述べるにとどめました。


事故を巡っては、当時の社長ら10人が業務上過失致死傷の疑いで捜査されましたが、2020年、全員の不起訴が確定しています。