前線や低気圧の影響で、山口県内では18日夜から19日昼にかけて大雨となりました。19日未明には線状降水帯が発生し、山陽小野田市では住宅が浸水するなどの被害が出ました。

日本海を進む低気圧や前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、県内は昨夜から昼にかけて大雨に見舞われました。同じ場所で激しい雨が降り続いたことから、気象庁は18日午後11時59分、線状降水帯発生情報を県西部に発表しました。
県が設置した雨量計では、下関市・阿内が1時間に73ミリの非常に激しい雨を観測。
24時間の雨量は、美祢市東厚保で観測史上最大となる243.5ミリを記録したほか、美祢市秋吉台で241.5ミリ、下関市豊田で227ミリとなっています。
早川晋矢記者:
「山陽小野田市の住宅地です。昨夜から降り続いた雨の影響で、道路が冠水しています。住宅の駐車場も水が浸かっている状況です」=山陽小野田市では厚狭川と大正川があふれ、市は一時、もっとも高い大雨警戒レベル5、緊急安全確保を出しました。
市によると、市内では床上浸水が3棟発生したということです。また12か所の避難所が開設され、多いときには10世帯17人が一時避難しました。
泥が流れ込むなどした住宅では、朝から住民が掃除をしていました。
住民:
「今回が3回目。1回は床上浸水。今、遊水池がみな無くなったからね、みなつかるんです」

葬祭場も、浸水しました。
こまつ会館 小松征一代表:
「朝もうみんな総出で掃除をやるようにしています」
床の上20センチほどまで水が上がったということです。
小松代表:
「35センチか40センチぐらいあったんじゃないですかね。一気にきますからね、ここはね。やはりこの辺りは低いんですよね」

この一帯は土地が低いため、これまでにも5回、同じような被害があったということです。このほか、下関市や美祢市でも浸水被害があり、県西部の市で合わせて床上浸水5棟、床下浸水は少なくとも6棟確認されています。また、県立学校42校が休校の措置をとりました。
線状降水帯って?西村気象予報士が解説

西村裕之気象予報士:
線状降水帯というのは、次々と発生する発達した積乱雲が列をなして数時間にわたり、ほぼ同じ場所を通過して線状に伸びる雨域で、長さが50~300キロ程度、幅が20~50キロ程度と気象庁は定義づけしています。
温かく湿った空気が来て、積乱雲が発達するんですけど、それが上空の風で流されることで、線状の降水帯ができる。一つ一つの積乱雲は数時間の寿命ですけど、どんどん流されるので同じようなところで雨が降り続くわけです。