山口県内各地あちこちでこま犬を見て、あれ?形が違うな…と思ったスタッフ。色々調べてみると…狛犬をめぐる、ふかーい世界がありました。
狛犬、そのルーツと魅力
スタッフが向かったのは、山口県周南市にお住いの山口狛犬楽会代表・藤井克浩さん。こま犬事情に詳しい「山口狛犬楽会」の代表です。これまで数多くの神社を巡り、1100組近くのこま犬を見てきました。

実は犬じゃなかった!
ーー狛犬ってそもそも何ですか?
藤井さん
「みなさんイヌイヌって言いよるから、あの…ここ掘れワンワンのイヌと思うちょるかもしれのんじゃけど、実際はね、どちらかと言うとネコに近い、大元たどったらライオンじゃからね」
狛犬とは、神様などを守る空想上の守護獣。力を欲したエジプトの王様が、百獣の王・ライオンをモチーフにしたものを飾るようになり…シルクロードを経て中国へ。その後、日本にも伝わったのが起源とされます。
しかし、日本では向かって右側が獅子、左側が狛犬となり、今では総じて狛犬と呼ばれるようになりました。

参道に設けられた中では、県内最古といわれる狛犬がいる、周南市の周方神社を案内してもらいました。
こま犬の楽しみ方は十人十色
「古い狛犬さんって、細かい細工を手を抜くことなく、作ってますよ。毛並みとかね。これ結構、狛犬としては小さいんよ、サイズ的にはね。でも毛並みとか表情の1つ1つとか、本当に緻密に細かく作ってらっしゃいます」

大阪で作られ、江戸時代の元禄15年に海を渡って山口に来たそうです。狛犬の見方は人それぞれ。鼻やしっぽ、筋肉の形…マニアごとにおすすめポイントがあるんだとか。藤井代表は…
「狛犬さんが見てきた視線、あの辺りがどういう風に景色が変わってきたんかのとか、そういうのを想像する、どちらかというと私は頭の中で妄想じゃね」
瀬戸内側では、向かって右側の口を開いているのがオス、左側の口を閉じて角を生やしているのがメスなんですが、日本海側では逆なんだそうです。夫婦のような会話を想像するのがおすすめといいます。
「改めて見ていただいたら、その違いが分かってくると思います。『みんな違ってみんないい』で、ぜひ狛犬、神社を訪れて味わっていただきたいですね」
ちなみに、大阪では性別が決まっているものが3割で、山口では7割くらい性別が決まっているという、そういう違いもあるようです。
地域・年代ごとに特徴はさまざま
では、地域ごとの特徴について見ていきましょう。
藤井さん
「大きな9つの分類の中で、なおかつ年代で形が変わってくるんですよ。本当、沼です」

例えば、山口県内でいち早く狛犬が登場した徳山では、全国的にも珍しいという天を仰ぐ姿、扇のように広がった鼻、野性的な雰囲気などの特徴があります。一方下関では、小顔でスマートな姿が多いんだそうです。萩では向かって左側は右前足で玉をおさえ右側は玉をくわえているのが多いという特徴もあります。

「各地でその地域の石工のイメージで作りあげた姿というものが狛犬なんです。だからあくまでもこれ…狛犬って空想の動物だからいかように作っても、間違いではない。だから、ぶさいくだろうが、かわいくなかろうが、でもそれはそれで石工にとっては、石工の中の頭で描いた狛犬の姿やからね」
ちょっとマニアックな内容となりましたが…知れば知るほど深いのが狛犬の世界ということです。
「昔の人の生きた証を残したい」
過疎化が進む中、寂しそうにしている狛犬を見ると、藤井代表は無力感を感じるといいます。
「自分にはどうすることもできんけど、せめて写真とか資料でその姿を後世につなげるのが自分の仕事かと思って、とりあえず地図に鳥居のマークがあったら行ってみているんですよ。昔の人の痕跡っていいましょうか、生きた証をね、狛犬も昔の人が生きた証だから、それをまた後世につなげるために、今何とか義務感でやってます」
(mixで2023年に紹介した特集から、年末年始に家族で楽しんでもらいたい話題をピックアップしました)













