国が新型コロナウイルスの水際対策を大幅に緩和してから、10月11日で1年です。山口県内でも東アジアを中心にインバウンドが復活しつつありますが、宿泊施設では予約を巡り困惑も広がっています。現状を取材しました。
県内有数の温泉地、長門市の長門湯本温泉。温泉街を歩く外国人観光客の姿が見られました。

香港から
「香港から来た。毎年日本に来て、いろんな場所を観光しています」
ドイツから訪れた画家の男性は日本に4週間滞在し、全国を旅して風景のスケッチをしています。

ドイツから
「日本食がすごく好き。クオリティが高い、ビールもおいしい。ドイツでは温泉は男女一緒だけど裸ではない。なので私たちにとって新しい経験」
韓国から
「日本が近代化になった、それをちょっとたどってみようと思って、山口県に来た」
インバウンドの回復基調を支えているのが東アジアからの観光客です。
玉仙閣 伊藤就一専務
「水際対策緩和以降ちょっとずつ予約が増えてきて、この春以降は以前コロナ前に戻ってきたかなというような印象を受けています。香港それから台湾、一部シンガポールというような方々です」

こうした国や地域からの観光客に対応するため、旅館・玉仙閣では言語変換アプリを導入し、どの言語の観光客にもコミュニケーションがとれる態勢を整えたほか、海外の言語に訳した施設案内を作りました。
伊藤専務
「宿泊のうちの3分の1が海外の方だったりするというようなこともあって、なかなかコロナ前ではそこまでの状況は見当たらなかったので、それを考えていくとやっぱり円安の影響もあるのかなと思っているところ」
海外から予約が増える一方で、悩みもあります。
伊藤専務
「やはり一部の方から『NoShow』いわゆる当日来なかったっていう事例が何件か発生いたしまして」

予約した日に無断でキャンセルする「NoShow」。用意した食材が無駄になるだけではなく、別の客の利用機会も妨げてしまいます。玉仙閣では9月から10月にかけ、サイトを通じて海外から予約があったにも関わらず、3組が訪れなかったということです。
キャンセル料を請求しようとしましたが連絡がとれず、中には4連泊の予約をしていた人もいて、損害は大きかったと言います。そのため9月末から海外からの予約は、予約時に決済する仕組みに切り替えました。

伊藤専務
「3泊、4泊というふうに連泊でお泊まり頂くお客様の当日キャンセルについては、やはり挽回できないケースもちょっと見受けられます。しっかり事前の決済を頂くような仕組みに変えていくということで未然に『NoShow』を防いでいこうと」
来年1月からは山口宇部空港と韓国を結ぶチャーター便の運航が始まる他、村岡知事は台湾とのチャーター便の運航にも意欲を示しています。
伊藤専務
「中国圏の方々にとっては1月末とかはですね春節の時期とか、日本の観光シーズンとしてはどちらかというと谷を迎えるような状況になっているので、こちらも来て頂かないといけない時期もたくさんありますので、ぜひ引き続きこちら受け入れ態勢をしっかりと整備してお迎えしていきたいなと思います」
インバウンド需要が全国で活発となる中、獲得に向けどのように魅力を発信していくかかぎになりそうです。













