コロナ明け、一大マーケットである中国への攻勢を強めていた山口県の企業は今回の中国の対応を深刻に受け止めています。
海清水産 松井大輔代表
「コロナがあけてきてですね、これから海外にどんどん、製品の輸出も始めていきたいなというふうに思っていた所で、やっぱり中国って一大マーケットなんですよね。そういった形で一方的に輸出禁止というふうになったのはかなり厳しいというか、正直残念という気持ちがすごく強いですね」
下関市で水産物の輸出入を手がける海清水産。
売り上げは、コロナ禍に2割から3割、落ち込んだものの、昨年度は、コロナ前を超えるまでに回復しました。
松井大輔代表は、今回の中国の輸入禁止措置の影響は大きいとみています。
「イカとブリでですね、そのあたりを中心とした(中国への)輸出額で(年間)2億近くのものがあるんでですね、それが全体の中で4パーセントから5パーセントの割合になってくるので影響としては非常に大きいですね」
海清水産は中国の青島と上海に子会社や出張所をかまえ、中国との輸出入に力を入れてきました。
輸出は、売り上げの1割ほどを占めますが、そのうち8割は中国です。来年以降は、為替に左右されない安定経営を目指して、輸出を増やして、輸入と輸出を同じ割合にする計画です。
その計画に欠かせないのが中国市場です。
「海外展開の中でやっぱり中国が占める割合っていうのはすごく大きかったんでですね、それを私たちが青島に現地法人を持っているということもあって、その現地法人と一緒になって、中国のマーケットを開拓していこうというふうに言っていたやさきにこういったことが起こってきたという」
さらなる痛手は輸入禁止に、実質的に水産加工品も含まれたことです。
「例えば日本の魚じゃなくても日本で加工した物ですね、そういった商品とかも、輸出するのがダメになってくるとか。そのほかのいろいろな所に影響してくるんじゃないのかなっていうのが一番怖い所ですよね」
アメリカや他のアジアの地域など、中国に代わる販路を模索する方向に舵を切る考えです。
「やっぱり私たちが望むことはそういった制限なしにいろいろと自由にできると一番いいんですけど、そこのあたりは様子、状況を見ながら商売をしていくしかないなという」
コロナ禍からの回復のやさき。
突如吹き始めた逆風に苦慮しています。