全国で相次ぐ強盗事件に関連があるとされる山口県岩国市の強盗未遂事件の裁判で、懲役3年6か月の実刑判決を受けた運転手役の男(23)。
一連の裁判で、犯行に至るまでを明らかにしていました。
判決によると男は去年11月7日午前2時ごろ、男4人らと共謀して、岩国市の会社役員の男性の家に侵入。家族にカッターナイフを示して「殺すぞ」などと脅した上、両手首を結束バンドで縛るなどして金品を奪おうとしましたが、家主の男性が日本刀を持ち出すなどして抵抗し、未遂に終わりました。
また、その前日の11月6日には岡山県で警察官になりすまして高齢の女性の家を訪ね、キャッシュカードをすり替えてATMで120万円を引き出し、盗み取りました。
男が犯行に至ったきっかけはSNSの”闇バイト”に応募したことでした。
これまでの裁判で、明らかになっていることをまとめました。
男は引っ越し費用などを工面するために「即金5万円」などと書かれたSNSの”闇バイト”に応募。
その後、「岡山でレンタカーを借りて人を運ぶ、運びの仕事」、「報酬30万円」と説明されて犯行に及んだと明かされています。
岩国市の事件で男は運転手や見張り、指示する人物との連絡役を務めていました。
実行役の4人を現場に送り届けたあと、ルフィと名乗る人物にテレグラム(=秘匿性の高い通信アプリ)で「4人が行きました」などと報告していました。
きょうの判決では「男の行為責任は重大であり、一般予防の見地からも、軽視することができない」と、懲役5年の求刑に対し、懲役3年6か月の実刑判決を言い渡されました。
男は上下黒のジャージ姿で、終始前を向いて判決文を聞いていました。
男の弁護人によると、男は刑務所内のラジオで一連の広域強盗事件に関する情報は知っているということで、「控訴については本人が判断する」としています。