旧萩藩御用窯として知られる萩焼の宗家、坂窯では4日、始めて茶碗を作る仕事始めの儀式がありました。
山口県萩市椿東の窯元では、十四世・坂高麗左衛門さんが工房で茶碗作りに取りかかりました。土の塊に触れ、ろくろを回し、茶わんと対話するように向き合います。辺りには、凜とした空気が流れます。
坂高麗左衛門は、初代が1625年に萩藩の初代藩主・毛利秀就から任命され、400年以上にわたって萩焼の窯元として歴史を築いてきました。近年の坂窯は十四世の母親・十三世が2014年に亡くなって以来、高麗左衛門としての当主は不在となっていましたが、去年6月、十三世の長男・悠太さんが坂高麗左衛門を襲名しました。
仕事始めに当たっては、毛利家から拝領した紋付きの羽織を身につけて茶碗を作ります。始めて身につけるとあって緊張した様子もうかがえます。
出来上がった茶碗は床の間まで運ばれます。初代藩主・毛利秀就から高麗左衛門に任じられた書状の前で、新年の抱負を述べました。
十四世 坂高麗左衛門さん
「単純にいい茶碗を作りたいそれはやっぱり襲名したということで一区切りありましたけども、これからもずっとおそらく追い求めていかなければいけないものだと思います」