北朝鮮から不正に輸入したシジミを国産と偽って販売したとして、警察は21日、山口県下関市の商社など、全国数十か所を一斉に家宅捜索しました。

警察は21日、山口県下関市の商社「アイコー」など全国数十か所を一斉に家宅捜索しました。アイコーでは21日午前9時半ごろ捜索開始。14時間半たった22日午前0時ごろ、建物から捜査員が出てきました。捜査員の手に押収物を入れるダンボール箱などはなく、かばんだけを持って下関警察署の方へ歩いて向かいました。

捜査関係者によりますと、アイコーは北朝鮮から不正に輸入したシジミを、国産と偽り販売した、不正競争防止法違反の疑いが持たれています。9府県の警察で合同捜査本部を設置し、北朝鮮産と知って販売に関わったとみられる福岡や茨城、埼玉、島根の水産会社など、数十か所を捜索しました。

日本政府は、北朝鮮への独自の制裁措置として、海産物の輸入を禁止しています。北朝鮮産のシジミは中国や韓国を経由し、「ロシア産」などと偽る手口で制裁をかいくぐって日本に輸入され、それを「国産」として販売していたとみられます。これらの会社などから、北朝鮮に金が流れた疑いもあるとみて、警察で捜査を進める方針です。