戦時中の水没事故で朝鮮半島出身者を含む183人が犠牲になった山口県宇部市の長生炭鉱では、8月に炭鉱の中から人の骨が見つけ出されました。遺族への遺骨返還を目指す市民団体は、韓国政府にDNA鑑定などへの協力を要請しました。
宇部市の長生炭鉱は、太平洋戦争中に水没。朝鮮半島出身者136人を含む183人が犠牲になり、遺骨は炭鉱内に取り残されたままとなっています。
犠牲者の遺骨収容と遺族への返還を目指す市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」は、ダイバーとともに炭鉱内の潜水調査を行い、8月に坑道の中から人の頭や足などの骨を見つけ出しました。
15日、刻む会の共同代表の井上さんらは韓国の行政安全部を訪ね、発見の報告とともに、速やかなDNA鑑定への協力を求めました。
長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 井上洋子共同代表
「DNA(鑑定)を最終的に日本政府が速やかに実施されなければ、韓国政府に預けて、韓国政府にもお願いしたいということも要請しました」
行政安全部は「検査ができる方案を関係部署と議論する」としました。
今後の遺骨収容への協力も求め「行政安全部として何ができるか方策を真剣に検討している」と答えたということです。