8月3日、山口県宇部市の宇部港沖で夫婦2人が乗った漁船が転覆し妻が死亡した事故です。

宇部海上保安署は8日、漁船(5トン未満)に衝突して逃げたとして、愛媛県宇和島市の漁船(199トン)の船員の男(26)を業務上過失致死と業務上過失往来危険の疑いで逮捕しました。

4日午前5時45分ごろ、漁船が所属する漁協の関係者から「漁船がふだん午前3時、4時に帰ってくるのに、帰って来ていない」と通報がありました。

宇部海上保安署によりますと、漁船には船長の男性(50代)と妻(50代)の合わせて2人が乗っていました。

通報からおよそ30分後に転覆している漁船が発見され、妻は船内で見つかりましたが死亡が確認されました。

船長の男性は、漁船につかまった状態で救助され、軽傷です。

転覆した船は5日に引き揚げられましたが、船底には大きな穴が開いていました。

漁協の組合長によると、船長は「後ろに船がいることを妻が気づき、よけようとしたら後ろから大きな衝撃があった、見上げるほど大きな船だった」と話していたということです。

宇部海上保安署は漁船は別の船に衝突され転覆したとみて、当て逃げとして捜査を進めていました。

当時、海域を航行していた船を絞り込み衝突した船を特定し、8日正午ごろ、高知海上保安部の駐車場で船員の男を逮捕しました。

船首部分の塗料と衝突された漁船の船尾についていた塗料が一致したということです。

宇部海上保安署は、関係者から事故の原因など詳しく調べるとしています。