肉質を競い、目指すは日本一。
4年に1度ならず、5年に1度のオリンピックが開幕!
主役となるのは美味しい和牛です・・・

「和牛のオリンピック」ともいわれる和牛の肉質を競う「全国和牛能力共進会」が6日から鹿児島で開催されています。もちろん山口県からもエントリーしています。まずは、どんな大会なのか見ていきましょう。

全国和牛能力共進会は今年で12回目となります。全国の和牛を5年に1度集め、その優秀性を競う大会で、4年に一度ならぬ5年に一度ということで、和牛のオリンピックといわれています。
部門は大きく分けて3つ。
種牛の部=牛の姿・形・体系の良さなど改良の成果を審査するというものなんですが、要は見た目のよさ。簡単に言いますと、イケメンならぬ、いかにイケ牛かを競う部門です。
肉牛の部=肉質を審査します。いかにきれいにさしが入っているか。簡単に言うと、美味しさを競う部門です。
高校農業大学校の部=今年新たに設置されました。若者に畜産に興味を持ってもらいたいと新設されたんですね。これらの部門の最高位1位には、内閣総理大臣賞も贈られます。
過去の実績過去の開催状況を見ていきましょう。第1回が1966年に開催されました。その後全国各地で開催されているんですが、注目すべきはここ3回、宮崎県がたくさん受賞しているんです。
スーパーで買い物される方はわかると思うんですけども、宮崎牛ってよく見かけます。つまりこの大会で優秀な成績を収めることは、ブランド力の向上・知名度アップに直接的につながるんです。全国の和牛関係者にとっては最も重要な大会と言われています。
全国41道府県からおよそ440頭の牛が頂点を競います。それでは、山口県の過去の実績はどうなんでしょう。
・第11回 宮城県大会『3位』
・第10回 長崎県大会『7位』特別賞 脂肪の質賞受賞
・第 9回 鳥取県大会『2位』
(全て肉牛の部)
この結果から何がわかるかというと、山口県は実は優れた肥育技術を持っているということなんですね。過去最高位は2位なんです。1位の経験はないんですが、おととし県の統一ブランド「山口和牛きらめき」も登場し、近年は特に力を入れているんです。
そんな山口県から、今回はこちらの牛が出品されます。
三宅牧場 三宅健二社長:
「成果を全国に出て皆さんの前でお披露目することができればと思います」
山口市阿東の三宅牧場で育てられた「武清号」です。
出場するのは「肉牛の部」。優秀な26頭が集う予選を経て山口県代表に選ばれました。身にまとっているのは、県代表の証である牛衣という布。365日休みもなく牛を見てあげないと山口で育った武清号。県の威信をかけて全国の舞台で輝くことができるのか
一方で、実は県内苦境でもあるんです。こちらご覧ください。
肉用牛肉飼養農家、つまり牛の畜産農家さんの戸数が2012年は614戸だったんですが、2022年今年は392戸、つまりこの10年間で3分の2に減っているんです。農家さんの平均年齢は、63.3歳なんです。
大会1位は山口県として悲願と言えるんです。1位を取って注目されれば、若い人に興味を持ってもらえるかもしれない。全国的に知名度が上がれば山口県の経済効果にも繋がる、若い人に興味を持ってもらえるのではないか。皆さんもぜひ応援してもらいたいと思います。
結果は9日に発表予定で、全国和牛能力共進会のHPで確認することができます。