全国的にクマの目撃やクマによる人への被害が出ています。こうした中、山形県はクマ出没警報を出して県民に注意を呼び掛けています。今後の対策と注意点は。

これは先月16日、真室川町と金山町の境の山道で撮影された走る子グマ。
この子グマは、車のクラクションを鳴らすと山に戻っていったということです。

さらに、先月31日には、鶴岡市で車に衝突したとみられるクマが撮影されました。ここは民家も多い場所。

道路に横たわるクマはすでに死んでいましたが、通勤通学の時間帯だったこともあり、撮影者は危険を感じたと言います。

クマの目撃が相次ぐ中、県はきょう会議を開き、クマの対策などを話し合いました。

クマの食べ物の状況は。

県環境エネルギー部・荒木泰子次長「ブナの豊凶調査については県環境科学研究センターの予測は県全域で凶作。東北森林管理局の調査では大凶作となっている」

県によりますと先月29日現在、県内のクマの目撃件数は660件。

去年の同じ時期より291件も多くなっていていて、人がケガをした被害は5件発生しています。

さらに市街地での目撃も多くなっていて、県はクマ出没警報を出して注意を呼び掛けています。

市街地にクマが現れる原因は、食べ物不足のほかにも。

県みどり自然課・鈴木慎一課長補佐「山の近くに人が住まなくなったり耕作していた畑が放棄されたりした結果、だんだん人の方にクマの生息域が近づいてきている」

会議では、今月17日に山形市で市街地にクマが出没したことを想定した訓練を実施することが発表されたほか、12月の冬眠の時期までは注意が必要だとして、県民に注意を呼びかけていくことが確認されました。

県は、クマが来ないよう農作物のとり残しや生ごみの放置は避けてほしいとしていますが、万が一、市街地でクマに遭遇したら。

県みどり自然課・鈴木慎一課長補佐「近くに逃げ込める建物や家があった場合なるべく入って出ないようにすることが大切」