山形県山形市の50代男性がパソコンのウイルス対策の名目でおよそ200万円の詐欺被害に遭いました。
警察によりますと、先月29日、山形市に住む50代男性は、自宅でパソコンを操作中、画面に警告の表示がなされ、画面上に「0101844」から始まる電話番号が記されていたため、ウイルスに感染したと思い、スマートフォンでその番号に電話をしたということです。
電話に出たのは、片言の日本語を話す男で、男性は男から、ソフトウェアをダウンロードするよう言われたため、画面上にあったURLをクリックし、ソフトウェアをダウンロードしました。
その後、男から、「パソコンのセキュリティ機能がほとんど無効になっている」「ハッカーに侵入されている」「解決するための操作と新たなソフトウェアの導入が必要」などと言われ、その経費として現金を要求されました。
男性が応じると、男は1万円をネットバンキングで振り込むよう指示しました。
男性は男から言われるがままパソコンを操作し、自分名義のネットバンクの口座から指定された口座に1万円を振り込みました。
その後、男から、さらにもう1万円を同じ口座に振り込むよう指示され被害者が振り込む手続きをしたところ、100万円を振り込んだことになっていたということです。
男に確認すると、「ハッカーの仕業だ」と説明し、作業のためさらに48万円が必要と言ったということです。
男性は指定された別の口座に48万円を振り込んだほか、さらに52万円の電子マネーを要求されました。
男性は繰り返し要求されることを不審に思いましたが、男は、マイクロソフト社の社員情報をパソコンの画面に表示させたため、正規の職員による手続と信用し、山形市内のコンビニエンストアから52万円分の電子マネーを購入し、男にコードを教えました。
その後、男性はインターネットで一連の行為を調べたところ、詐欺でないかと不安に思い、警察に相談して被害が判明しました。
被害額の合計は201万円にのぼります。
警察では、この被害はパソコンにウイルス感染の画面を表示させて、被害者に電話をかけさせ、ウイルス対策が必要という架空の事実を口実に現金を振り込ませたり、電子マネーを購入させる「架空料金請求詐欺」という手口の特殊詐欺だとしています。
今回の犯行に悪用されたのは、「010」から始まる国際番号で、今年7月以降、山形県内でも、国際番号を悪用する手口の被害やアポ電が増加しているということです。
また、「電子マネーを購入してコードを入力しろ(教えろ)」は特殊詐欺の手口だとして、電子マネーを購入し、第三者に番号(コード)を教えないよう呼び掛けています。
また、今回は、相手からパソコンにソフトウェアやアプリをダウンロードするよう指示され、その後にネットバンキングで振込手続を行っていたところ、犯人側からパソコンを遠隔操作され、多額の現金振込をさせられたものです。
パソコンを使用している時に、ウイルス感染に関する画面が表示された場合は、詐欺の可能性があるので、警察に相談してください。