
地面に捨てられた腐ったリンゴ。収穫を間近に控えていた県の奨励品種「秋陽」です。
この夏の暑さは、町の特産品にも影響を及ぼしています。

リンゴ農家・志藤政利さん「出来の方は悪い。例年になく悪い。高温障害ですね。たぶん」
山形県朝日町でリンゴを育てる志藤政利さんです。
この道60年のベテランもこうした被害は初めてと言います。


リンゴ農家・志藤政利さん「これが正常なリンゴ。お尻が青くて周りが赤。一方、これが日照りで黄色くなっている」
例年だと全体が赤く色づくはずが、暑さで黄色やオレンジ色に「日焼け」してしまいました。

リンゴ農家・志藤政利さん(Qもう今後赤くなることは?)「ない。赤くなることはない。食感は全然悪いし、豆腐を食べているみたいで、味がもぐもぐして」

日焼けしたリンゴは、ジュースなどの加工用にまわされてしまい、1ケース100円ほどで取引されると言います。

志藤さんが原因と考えているのは、「朝と日中の温度差」。

このあたりは例年だと今の時期、朝の気温が10度台後半、日中は20度台後半で推移し、寒暖差がリンゴの甘みと色付きを後押しするということですが。
リンゴ農家・志藤政利さん「(今年は)朝でも二十何度、だから(朝と日中の)温度差がないから、どうしてもリンゴが異常をきたしている」
志藤さんの畑では、「秋陽」の収穫量が、去年の半分に減少する見込み。

また、3日前に収穫を終えた「つがる」は去年の3割減に。

11月に収穫が始まる主力品種「ふじ」にも日焼けが確認されていて、この先の収穫を心配しています。
リンゴ農家・志藤政利さん「でも朝日町、リンゴでがんばっているから、とりあえずふじりんごはがんばって作らないと。みんな待っているから」(Qもう猛暑は?)「もういいです」
猛暑の被害は果実だけでありません。

県のまとめでは、この夏の暑さで死んだ牛は去年の3倍、豚は2倍、ニワトリに至っては10倍となっています。

県では、被害状況を調査している最中としていて、その結果を受けて支援策なども検討していきたいとしています。







