山形県内では今シーズン初のさくらんぼ盗難被害も起きています。

被害にあった農家「ここが入り口で、目の前がここ(被害場所)なんですよ。このあたりが。にぎやかだった実がないんですよ」
被害にあった農家「手口からして、少しだけ盗んでまた来ようとしているような狙い。また来て少しずつ盗まれても困るのですぐ警察に届け出ました」

こう語るのは、山形県天童市でさくらんぼを育てる土屋恵一さん。
収穫間近の佐藤錦が盗まれる被害に遭いました。園地に人がいない夜の時間帯の犯行とみられ、手の届く範囲を中心に軸ごともぎ取られ、4キロ、およそ1万2000円相当の被害です。
土屋恵一さん「楽しみにしていたさくらんぼの実がないということで、非常に残念」

農家は口をそろえて、「対策は難しい」と話します。
松原農園・笹原恭治さん「個人的には(農家は)対策は難しいと思います。対策も取りづらい、(園地)が広いから」
毎年のように起こる被害の背景には。
松原農園・笹原恭治さん「一番直接的な原因はさくらんぼが高価なものだから。安ければそんな盗難事件はないと思います」
さくらんぼの価値を上げるほど狙われやすくなる。
こうした現状に農家は苦悩が続いています。

こちらは過去10年で報告された盗難件数と被害額です。
3年前には、3件合わせて220キロの盗難被害がありましたが、その翌年にはそれを上回る7件280キロの報告があり、被害額は150万円相当でした。
農家が手塩にかけて育てた農作物を盗む…これは窃盗の罪に問われる、犯罪行為です。

盗難対策として何ができるのか。警察では、2つのポイントを案内しています。
1.犯人に使われる恐れがあるため、脚立やコンテナなどを畑に置いたままにしないこと。
2.センサーライトや防犯カメラを設置すること。
また、「カメラ作動中」といった看板を立てておくだけでも抑止効果があるとしています。
そして今、人手不足の中、外部からボランティアなどで収穫に訪れている人もいます。
県の担当者はスタッフが目印となる帽子や服を身に着けるなど、部外者と区別することも重要だと話していました。
また地域で不審な車を報告したり、園地同士で顔が見える関係を作ったりなど、園地全体で侵入されにくい状態を作ることで被害を少しでも防ぐことが出来るかもしれないということです。







