季節を感じる伝統工芸の話題。担当は棚橋アナウンサーです。


木でできたこちらのうさぎ、かわいらしいですよね。実はこれ、木を刀一本で彫って作られているんです。きょうは、米沢市に古くから伝わる笹野一刀彫の工房にお邪魔してきました。


山形県米沢市の笹野(ささの)地区。


「お鷹ぽっぽ」で知られる「笹野一刀彫(ささのいっとうぼり)」の干支作りが、今、最盛期を迎えています。

年末年始の縁起物として親しまれる干支の置物は、毎年、県の内外から注文があるそうです。

笹野一刀彫 鷹山 7代目・戸田賢太郎さん
「笹野一刀彫の場合はこういう木を彫りこむ、今回はうさぎなので、耳の部分がその一刀彫らしさが一番出るところなのかなと思います」

コシアブラなどからサルキリという刀一本で作る一刀彫。

手際よく作業を進めていくと、かわいらしいうさぎらしい姿が形作られてきました。


報告・棚橋祐太
「何重ですか。毛並みとも言っていいくらい、何重にも彫り込まれています。繊細ですね」

そして、彫り終わったものに、母・恵子さんが色を付けていきます。


恵子さん
「小さい子どもさんも買いに来てくれてかわいいとか言っているのを聞くと、こっちも顔がほころんでくる」


かわいらしい表情に、今にも動き出しそうな躍動感。

職人が心を込めて作った逸品です。

一刀彫のうさぎを求め、工房を訪れる人も。

こちらの方は年末に帰省する息子家族にプレゼントするそうです。


お客さん
「(息子たちが)来たらお土産にこの4つは持っていってもらおうと思っています。6つで一緒に年賀状の写真にもしようかなと」


笹野一刀彫 鷹山 7代目・戸田賢太郎さん
「来年は兎年なので飛躍の年になるようにという気持ちで彫っています」


笹野一刀彫は工房・鷹山のほか県内の道の駅や土産物店で購入できるということです。

棚橋アナウンサー:
大きさや干支の種類にもよりますが、こちらくらいの大きさだと大体10分から20分ほどで作ってしまう。素早く作られていく姿に見入ってしまいました。

そして材料となる木も自分たちで職人の方々が取りに行くということで、その職人の心意気に心を動かされました。

恵子さんの色付けなんですけれども、一つ一つ、どんな色がかわいらしく見えるかなと、いつも話し合って毎年干支の色を決めているそうなんです。
手作りで、一つとして同じものがない笹野一刀彫をご紹介しました。