去年7月の記録的な大雨で川の水があふれた山形県の最上川の中流や下流などについて国や県などが進める治水対策がはじまり、着工式が行われました。
山形県酒田市で行われた着工式には、国や県、沿岸自治体の関係者らおよそ60人が参加しました。

去年7月の記録的な大雨では最上川でも洪水が発生しました。およそ60キロにわたって計画高水位を超過し、水が堤防を越えるなど甚大な被害が発生しています。
今回進められる緊急の治水対策プロジェクトでは去年の大雨と同じ規模の洪水が発生した際に、堤防から水があふれ浸水被害が発生することを防ぐことを目的にしています。
事業期間は2029年度までで、大雨で決壊してしまった堤防の整備、川の断面積を広げ洪水の際に被害を軽減する掘削などを行います。

費用は国と県を合わせ最上川では650億円程度を見込んでいます。
プロジェクトには地区の多くの世帯が浸水した山形県戸沢村蔵岡地区の集団移転についても明記され、対策工事と共に移転計画も進められていくことになります。

戸沢村・加藤文明村長「長い距離の河道掘削の実現に向かって進むということでうれしく思います。流域治水の中での防災集団移転促進事業が進むと明記しているので、大きく前に進むことができたと期待感も含め大変うれしい」
きょうはこれに合わせ酒田市と遊佐町を流れる日向川と遊佐町を流れる月光川で行われる治水対策プロジェクトの着工式も行われました。こちらの事業期間は2028年度までだということです。
堤防の整備などはすでに始まっており、本格的な工事は今年の秋から始まる予定です。