現地では山火事の専門家にも取材を行いました。
平成以降、最悪の被害となった今回の山林火災。なぜここまで延焼が拡大したのでしょうか。
京都大学・峠嘉哉 准教授「他の事例と比べたら異次元の(規模の)大きさだと考えています」

京都大学の峠嘉哉准教授です。調査のために現地を訪れていました。
峠准教授は今回の山林火災の特徴の一つに『燃え広がるスピード』をあげました。

今回の火災では初日だけで山林600ha以上が焼失しました。この速度に注目した峠准教授は、2017年に釜石市で起こった山林火災を重ねました。

京都大学 峠嘉哉 准教授「一日のうちにして数百ヘクタールが焼けるような事例である、それは共通していた。釜石市の時の燃え方がどうだったかというと、木の上の葉っぱのゾーンが焼けて葉っぱから葉っぱに焼けて延焼するような。延焼速度が速かったことを踏まえると樹冠火が起こった可能性があるかなと考えている」

国内で毎年起こる1000件以上の山火事のほとんどは、『地表火』というもので、地面に落ちた枯れ草などが燃えて広がるものです。
これは燃え広がるスピードが比較的遅いと言います。

一方、今回の火災は、木についている葉が燃えることで、燃え広がる速度が速い『樹冠火』とよばれる火災の可能性があるということです。
