温泉旅館を経営する株式会社SJ(山形県上山市葉山9-5、登記上は東京都中央区八重洲2-8-7福岡ビル9階 冨士重人社長)は、今月14日付けで東京地裁より特別清算開始決定を受けた。

東京商工リサーチによると負債総額は約4億円。ただし精査中のため変動している可能性がある。

運営部分を切り離した会社が彩花亭時代屋の運営を継続する。

SJは1945年にそば店として創業。64年ごろに温泉旅館経営に転換。69年には「冨士ホテル」として法人化した。

93年には彩花亭時代屋に商号を変更。客室数17の和モダンな宿として、かみのやま温泉葉山地区を代表する宿のひとつだった。

2010年には隣接する施設を購入し別邸としてリニューアルするなど拡大に努めた。

しかし東日本大震災ではキャンセルが相次ぎ苦しい経営となり、その後売り上げは回復したものの収益面では慢性的な赤字だった。

コロナ禍では再び業績が低迷し、21年には会社分割で旅館の運営業務を切り離し、会社は休業状態だった。

23年6月に株式会社SJに商号を変更し、7月の株主総会で解散を決議し、東京都中央区に本社登記を移転していた。