おととい、山形県上山市の温泉街で、バスガイドの女性がバスと電柱に挟まれ死亡した事故を受け、きょう関係者が集まり対策会議が開かれました。

参加者からは温泉街特有の道路環境や、高齢化するバス業界について報告があり、意見がかわされました。
この事故は、おとといの朝、上山市新湯で、宮城県涌谷町に住む佐々木仁美さんがバックするバスを誘導中に、電柱との間に挟まれ死亡したものです。

この事故で、警察は、バスの後方の安全をよく確認していなかったとして、佐々木さんの同僚でバスを運転していた69歳の男を現行犯逮捕しました。

矢野秀樹アナウンサー「状況説明によると、大型バスは駐車場から一旦道路に出て右折をし、そこからバックで車を寄せようとした際、事故にあった」
バスは電柱にもぶつかり、左後部が壊れ、後ろの窓も割れていたことも新たにわかりました。

道路の幅はおよそ6メートルで、電柱に向かって若干の上り坂になっていたということです。

きょうの会議では、地区の交通安全協会や観光関係者などが集まり、事故について意見が交わされました。

地域交通安全活動推進委員「狭い道路の前で、なぜ大型バスに乗降しなければならないのかが疑問」

会議では、温泉街ならではの道路環境についての意見も多く、上山市の温泉旅館組合からは観光バスについて「宿の入り口への車寄せはせず、駐車場での乗り降りを推奨する」という対策案が示されました。

県バス協会 栗田豊行 課長「対岸の火事ではないので、(協会の)乗務員には真摯に受け止めてもらうことを強く要望した」

協会によりますと、県内のバス運転手の平均年齢は54.7歳。
年々高齢化が進み、事故防止の対策強化が求められています。

上山警察署 海藤良太 交通課長「バスの乗り降りなどについては、旅館組合や関係団体と協議をして観光客の安全を第一に考えていく必要がある」

警察は、さくらんぼシーズンの観光需要の増加で大型バスの交通量が増えるとしていて、巡回による啓発活動を続けるとしています。







