その一方で、こうした被害も。
松浦亜実 記者「長井市のこちらの園地で、さくらんぼの盗難被害が確認されました。収穫時期真っ只中のこのシーズンに、農家の人たちは頭を悩ませています」
園地の人「昨日まではさくらんぼがあったんですね。なくなったんです」

盗難被害があったのは、長井市寺泉の安達勝広さんの園地です。
警察によりますと、ビニールハウスの中で栽培していた紅さやかと香夏錦およそ60キロ、14万円相当が盗まれました。

安達さんによりますと、45本あるさくらんぼの木の半数以上の木で盗難被害にあったということです。

松浦亜実 記者「こちらのようにハサミで枝が切られているほか、雑に手でちぎったような跡も確認されています」

安達さんによりますと、枝はハサミで切られたり、手でちぎられたりされたほか、枝は切らず、実だけを取っているところもあったということです。
収穫で訪れた先月28日には被害がなかったため、警察では、きのうまでの間に何者かがさくらんぼを盗んだとみて調べています。

園地の人「今年は双子果があって収穫量が少なくなった分、(盗難で)また収穫できなくなったということで頭にくる。手をかけたのに」

犯人が捨てたのでしょうか。
園地の近くにある用水路には小ぶりなものや色付いていない実が捨てられていました。

安達さんは、去年も盗難とみられる被害に遭っていたということですが、この実を発見し、今回は迷わず警察に通報したと言います。
園地の人「触ってみたらまだ固かったので」「そこにも腹が立ったからついつい警察に通報した」
過去10年で起きたさくらんぼの盗難の被害を見ると、最も深刻だったのが2021年。被害件数は7件で、およそ280キロ、150万円相当が盗まれました。

原因の一つには、霜被害による凶作でさくらんぼの価格が高騰したことが挙げられています。今年は、霜被害は少ないものの、安達さんの話にもあったように双子果の影響で、収穫量が例年よりも「やや少ない」予想になっています。今年も価格が高騰しやすい状況にあるため、より一層、盗難被害に注意が必要です。

警察では、犯人に使われる恐れがあるため、脚立などを畑に置いたままにしないことや、センサーライトや防犯カメラを設置することなどを呼びかけています。








