「ミシマサイコ」という植物をご存じでしょうか。漢方薬の原料となる薬用植物で、現在は絶滅危惧種となっています。この「ミシマサイコ」を復活させようという取り組みが富山県の上市高校で行われています。

漢方薬の原料として用いられている多年草「ミシマサイコ」。根の部分に解熱・鎮痛作用などがある成分を含みます。

現在は、絶滅危惧種となっていて、富山県立上市高校では、おととしの12月から総合学科グリーン分野専攻の生徒たちが栽培に取り組んでいます。

上市高校 石黒友一教諭:「富山県は“薬の県”なので安全・安心な生薬の原料になるものを高校生と一緒につくっていみたいなと思いスタートしたプロジェクトになります」

この日は、花を実らせ1メートルほどに育ったミシマサイコを植え込みから50センチの高さまでカットしました。

これは、「摘芯(てきしん)」という栽培技術で花などに多くの養分が取られないようにすることで、生薬として使われる根の部分により多くの成分がつくられるようにします。

かつて上市町広野地区にも「ミシマサイコ」は自生していましたが、現在、野生種は絶滅。上市高校では、安定した栽培方法を確立することで、今後、地元での生産の可能性を探りたいとしています。

生徒:
「絶滅した植物に接するのは貴重なことなのでいいと思う」
「ミシマサイコは、海外の中国からの輸入に頼っているので、それをこの富山県でつくってそれが薬とか国で使われるようになったらすごくうれしい」

この高校生たちが栽培するミシマサイコの収穫は秋ごろを予定しています。