幼稚園の給食などを提供していた高岡総合給食センターが10月7日に自己破産を申請するなど富山県内で給食業者の倒産が相次いでいます。専門家を取材すると全国の給食業者のうち3割以上が赤字を抱える厳しい現実が見えてきました。

高岡市美幸町にある協同組合「高岡総合給食センター」は、7日、自己破産を申請しました。

給食などを利用していた高岡市内の幼稚園や企業など合わせて1600食以上に影響が出ました。

物価高などで資金繰りが厳しくなったことが原因で、負債総額は約1億6000万円に上るということです。

富山県内では、ことし4月に富山市のユニオン・ランチが自己破産するなど給食業者の倒産が相次いでいます。

専門家は相次ぐ物価高に対し、企業側が価格を十分に転嫁できていないことが背景にあると指摘します。

帝国データバンク富山支店 大場正範さん
「やはり値段を上げちゃうことで、お客様が離れていってしまうこういった不安もあると思うんです。だから、なかなかそこで値上げに踏み切れないっていうのが、おそらく心理的にあるのではないでしょうか」

帝国データバンクによりますと、2022年度の時点で全国の給食業者のうち3割以上が赤字、さらに全体の6割あまりが業績悪化となるなど、全国的にも業界の厳しい状況となっています。

また、業界ではコストが100円あがった際に平均27.1円しか価格に反映できていないということです。

専門家は企業側と消費者が値上げに納得できるよう互いの丁寧なコミュニケーションが求められるとしています。

帝国データバンク富山支店 大場正範さん
「事業の価値を訴求すること。そして適正な価格に値上げ交渉をされて持っていくこと。やっぱり上がった分はしっかり価値としてお返しするのでその分、対価として値上げはする。その流れっていうのは大事じゃないか」