2018年に起きた奥田交番襲撃事件で亡くなった警備員の妻が県を訴えた国家賠償請求訴訟。原告は10月8日、一審・富山地裁の判決を不服として名古屋高裁金沢支部に控訴しました。

殺害された警備員 中村信一さんの妻
「本当に内容的には残念な判決だったと思ってます。私が訴えようとしていることを明らかにするための証人なり証拠を全く取り上げてもらっていないので」
事件は2018年6月に発生。元自衛官の島津慧大被告(28)が富山市の奥田交番に押し入り、所長だった稲泉健一さんを殺害、奪った拳銃で奥田小学校で警備の仕事をしていた中村信一さんを殺害しました。


中村さんの妻は2021年に県を提訴。110番通報を受理した県警の通信指令課が適切に対応していれば、「夫が殺害されることはなかった」と訴えています。
9月29日の判決で富山地裁は「県警は中村さんが殺害される直前まで犯人が拳銃を発射する危険があったとは認識できなかった」などとして、原告側の請求を棄却しました。

この判決を不服として原告側は10月8日名古屋高裁金沢支部に控訴しました。
殺害された中村信一さんの妻
「先の裁判で取り上げられなかった事柄とか証人の方たちとかは取り上げてもらいたいなと。本当に明らかにするためには本当に必要なことだと思うので」

中村さんは控訴審で110番通報の法廷での公開や、通報を受理した通信指令課員の証人尋問を求めたいとしています。