水産物加工販売の「油本水産」が8月22日までに事業を停止し、破産申請の準備に入ったことが東京商工リサーチの調べでわかりました。負債総額は約4億1000万円とみられます。

油本水産は1991年5月に設立。水産物の加工販売を主な事業とし、「ホッケの干物」で全国的に定評があります。また、「富山の神秘」といわれるホタルイカも扱い、事業を拡大してきました。

大手水産会社との取引もあり、過去には売上高5億円あまりを計上していた時期もありました。

しかし同業他社との競合や経済情勢の悪化を背景とした消費の低迷により、売上高は低調に推移し、2025年4月期の売上高は約3億8000万円にまで低下していました。

また、損益面では原材料費や燃料費、人件費の高騰で収益を圧迫し、最終赤字を強いられて債務超過の状況が長期間にわたり続いていました。

業績不振を背景に金融債務の返済に変調が生じていたなか、条件変更を行うなどしてしのいでいましたが、資金運営も限界に達し、事業継続を断念し、破産申請の準備に入りました。