四代公害病の一つである「イタイイタイ病」の患者と認定するかどうかを判断する富山県の審査会が開かれ、昨年度の健康調査の結果、今後、患者となる可能性を否定できない「要観察者」と判定された人はいませんでした。

富山県は、1975年以前に神通川流域に20年以上住んでいた人を対象に毎年健康調査を実施しています。

24日開かれた県の公害等認定審査会では、昨年度の健康調査の結果について審査しました。

昨年度の調査で精密検査を受けた人は55人で、このうち今後イタイイタイ病患者となる可能性が否定できない「要観察者」と判定された人はいませんでした。

これまでイタイイタイ病の患者として認定されたのは201人、要観察者となったのは345人ですが、生存している人はいません。

一方、昨年度の調査対象者998人中、実際に受診したのは355人と4割以下にとどまっていて、県は「一人でも多くの人に検診を受けてもらいたい」と話しています。