新型コロナをはじめとする新たな感染症に対応していくため富山県は2日、富山大学と金沢大学の医学部入試の「特別枠」に「感染症内科」を加えることを決めました。富山大学附属病院は、診療から人材育成まで日本海側の感染症医療の拠点を目指していく方針です。
県内で不足する診療科の医師を確保していく目的で、富山県は県内の高校出身者を条件に富山大学と金沢大学の医学部の入試で修学資金を支援する「特別枠」を設けています。
この「特別枠」の学生は、初期研修終了後に9年間、県内の公的病院などで特定の診療科に勤務することを条件に貸与された修学資金およそ1千万円の返還が免除されます。(特別枠定員:富山大学10人、金沢大学2人)
返還免除の条件となる診療科について小児科や産科など10の科が指定されていますが、2日に開かれた県医療対策協議会で、来年度の入学生から「感染症内科」と「脳神経外科」の追加が
決まりました。
このうち「感染症内科」は、新型コロナをはじめ今後の新たな感染症の発生に対応していくためとしています。
富山大学附属病院感染症総合センターの山本善裕センター長は、「特別枠」の診療科に「感染症内科」が加わるのは「全国初」で、「日本海側における感染症医療の診療・研究・教育の拠点を目指したい」と話しています。
現在、県内の感染症専門医は15人で、富大附属病院以外は感染症指定医療機関でも常勤の専門医は1人もしくは非常勤のみという状況です。
山本センター長は、この「特別枠」などを活用し2030年までに県内の専門医を倍の30人にしたいとしています。